バドミントンのリーグ戦(総当たり)の組み方|対戦順・循環方式をわかりやすく解説
サークルの練習試合や小規模な大会で「全員が公平に対戦できるリーグ戦を組みたい」という方に向けた記事です。この記事では、バドミントンのリーグ戦(総当たり)の総試合数の求め方、手作業でも間違えにくい循環方式(1固定ローテーション)による3〜6チームの対戦順の作り方、連戦を避ける試合順の工夫、そして当日の進行・スコア記録の実務までをまとめて解説します。
「対戦表をどう作ればいいのか分からない」「休憩の配分が偏ってしまう」といった悩みを、表と計算例で具体的に解消していきます。
リーグ戦(総当たり)とは?特徴とメリット
リーグ戦(総当たり戦、ラウンドロビン)は、参加する全チーム(または全選手)が互いに1回ずつ対戦する方式です。トーナメント(勝ち抜き戦)が1回負けると終わってしまうのに対し、リーグ戦は全員が同じ試合数をこなせるのが最大の特徴です。
そのため、実力を公平に比較したいときや、参加者に多くの試合機会を提供したいサークルの練習会・小規模大会に向いています。一方で試合数が多くなりやすく、コートや時間の確保が課題になります。
リーグ戦は「全員が同数の試合をこなせて公平」「1試合ごとの結果に左右されず総合力で順位が決まる」一方、「試合数が多く時間がかかる」「同率が並んだときの順位決定基準が必要」という性質があります。決勝トーナメントと組み合わせる場合の設計はコート数と時間から逆算する試合数設計の記事もあわせてご覧ください。
総試合数の公式 n×(n-1)÷2
リーグ戦で必要な試合数は、参加数をnとすると次の公式で求められます。
総試合数 = n ×(n − 1)÷ 2
これは「n チームの中から対戦する2チームの組を選ぶ組み合わせの数」を表しています。実際に代入すると、次のようになります。
| チーム数 n | 総試合数 | 各チームの試合数 |
|---|---|---|
| 3 | 3 | 2 |
| 4 | 6 | 3 |
| 5 | 10 | 4 |
| 6 | 15 | 5 |
| 8 | 28 | 7 |
各チームの試合数は必ず「n − 1」試合になります(自分以外の全チームと1回ずつ対戦するため)。チーム数が増えると総試合数が急激に増える点に注意してください。たとえば8チームでは28試合となり、1コートだけでは相当な時間がかかります。
参加数が多くて総当たりだと時間内に収まらない場合は、いくつかの予選リーグに分割し、各リーグ上位が決勝トーナメントに進む形にするのが定石です。1試合の目安時間は運営実務値で「点数×0.75分」(21点なら約16分)、種目別の平均で約35〜40分(3ゲームにもつれると45〜75分)とされます。これは公式規程ではなく運営実務上の目安です。※大会・年度により異なる場合があります。最新の競技規則・大会要項でご確認ください。
循環方式の作り方|3〜6チームの対戦順
対戦表を手作業で作ると、同じ組が重複したり、逆に組が抜けたりしがちです。そこで役立つのが循環方式(サークル法)です。1チームを固定し、残りのチームを時計回りに1つずつずらして各ラウンドの対戦を機械的に作る方法で、抜けや重複を防ぎやすいのが利点です。
偶数チーム(4チーム)の例
4チーム(1・2・3・4)の場合、チーム1を固定し、残りの2・3・4を時計回りに回します。上下で向かい合ったチーム同士が対戦します。全3ラウンド・計6試合です。
| ラウンド | 第1試合 | 第2試合 |
|---|---|---|
| 第1 | 1 vs 2 | 3 vs 4 |
| 第2 | 1 vs 3 | 4 vs 2 |
| 第3 | 1 vs 4 | 2 vs 3 |
奇数チーム(3・5チーム)の例
奇数チームのときは、仮の1枠(休み枠。表では「休」)を加えて偶数として扱います。この休み枠に当たったチームは、そのラウンドが休みになります。
3チーム(1・2・3+休)の場合、全3ラウンドで各チームが1ラウンドずつ休みます。実試合は3試合です。
| ラウンド | 対戦 | 休み |
|---|---|---|
| 第1 | 1 vs 2 | 3 |
| 第2 | 3 vs 1 | 2 |
| 第3 | 2 vs 3 | 1 |
5チーム(1・2・3・4・5+休)の場合、全5ラウンドで各チームが1ラウンドずつ休み、実試合は10試合になります。
| ラウンド | 第1試合 | 第2試合 | 休み |
|---|---|---|---|
| 第1 | 1 vs 2 | 3 vs 5 | 4 |
| 第2 | 1 vs 3 | 4 vs 2 | 5 |
| 第3 | 1 vs 4 | 5 vs 3 | 2 |
| 第4 | 1 vs 5 | 2 vs 4 | 3 |
| 第5 | 2 vs 3 | 4 vs 5 | 1 |
6チームの例
6チーム(1〜6)はチーム1を固定し、残りを回します。全5ラウンド・各ラウンド3試合・計15試合です。
| ラウンド | 第1試合 | 第2試合 | 第3試合 |
|---|---|---|---|
| 第1 | 1 vs 2 | 3 vs 6 | 4 vs 5 |
| 第2 | 1 vs 3 | 4 vs 2 | 5 vs 6 |
| 第3 | 1 vs 4 | 5 vs 3 | 6 vs 2 |
| 第4 | 1 vs 5 | 6 vs 4 | 2 vs 3 |
| 第5 | 1 vs 6 | 2 vs 5 | 3 vs 4 |
上の表はあくまで循環方式で機械的に作った一例です。実際の割り当ての位置(どのチームを何番にするか)や、シードを絡める場合の配置は大会ごとに調整されます。参加者の所属を分散させたい場合など、組合せの配慮は大会運営規程の代表例でも重視されています(後述)。
試合順の配慮|連戦を避ける並べ方
循環方式で「どのラウンドで誰が当たるか」は決まりますが、それを実際のコートに時系列で並べるときには連戦を避ける配慮が必要です。同じチームが休みなく試合に入り続けると、疲労で公平性が損なわれます。
特にコート数が少なく1コートで順番に消化する場合、循環方式の各ラウンドを単純に順番へ流すと、同一チームが連続で入ってしまうことがあります。並べ替えのコツは次のとおりです。
- 直前の試合に出たチームは、できるだけ次の試合に連続で入れない
- チーム数が少ないリーグほど休みが取りづらいので、試合順を意図的にずらす
- コートが複数ある場合は、同一チームが同時刻に別コートへ重複しないよう割り当てる
- ゲーム間の休憩は120秒、1ゲーム中は11点到達で60秒の休憩がある点を前提に組む
休憩ルールの目安は、11点到達で60秒、ゲーム間で120秒です。ただしこれだけでは連戦の疲労はカバーしきれないため、試合順そのものの並べ替えで休養時間を確保するのが実務的です。得点ルールについては、現行は21点制で、2027年1月4日から15点制へ移行予定とされています。※大会・年度により異なる場合があります。最新の競技規則・大会要項でご確認ください。
また、正式な大会では組合せそのものにも配慮のルールがあります。大会運営規程の代表例では、組合せはレフェリーの指示の下で厳正に行うこと(第28条)、前年度同一大会の1回戦で対戦した者同士が再び1回戦で当たるのを避けること(第30条)、同一都道府県(所属)からの複数参加はできる限り等分に分けること(第31条)、ダブルスのパートナー同士がシングルスに出る場合は原則等分に分けること(第29条)などが挙げられています。これらは代表例であり、適用は大会ごとに要項で異なります。
リーグ戦運営の実務|スコア記録と進行
対戦表ができたら、当日はスコア記録と進行管理が中心になります。リーグ戦は試合数が多いため、記録の抜け・集計ミスが起きやすい点に注意が必要です。
順位決定の基準を事前に決めておく
リーグ戦では同じ勝敗数のチームが並ぶことが珍しくありません。順位決定基準を事前に要項で明示しておくことが重要です。代表例(バドミントン日本リーグ規定)では、次の順で比較します。
| 優先順位 | 基準 |
|---|---|
| 1 | 勝点(勝1・負0・棄権/没収は-1) |
| 2 | 取得マッチ率 |
| 3 | 取得ゲーム率 |
| 4 | 取得ポイント率 |
この代表例では順位決定のための特別試合は行わないとされています。ただし一般大会では要項により基準が異なるため、必ず大会ごとの要項を確認してください。順位決定の考え方や計算方法はリーグ戦の順位決定方法の記事で、A→B→C→Aと一巡する「3すくみ」の処理は巴戦の順位決定の記事で詳しく解説しています。
棄権・失格時の記録
棄権が出た場合の取り扱いも代表例として押さえておきましょう。大会運営規程の代表例では、棄権時の記録は直前のスコアを記し棄権の旨を書き添える(第26条)、マッチを棄権した者は同一大会のその後の全種目に出場できない(第19条)、失格者は同一大会の全エントリー種目で失格(第21条)とされています。いずれも代表例であり、大会ごとに要項で異なる場合があります。
団体戦形式で行う場合
チーム=団体で総当たりを行う場合、1つの対戦カードの中でシングルス・ダブルスを何試合行うか(オーダー)を要項で定めます。実例として、全日本実業団(2026年・第76回)は2複3単で第1複→第2複→第1単→第2単→第3単の順、決勝トーナメントは勝敗決定後打ち切りとされています。S/Jリーグは2複1単(複→単→複)でオーダーフリー・単複兼任不可という例もあります。これらは大会ごとに要項で異なる代表例です。
試合数の多いリーグ戦こそ、対戦表・進行・スコア集計をデジタルで一元管理すると運営がぐっと楽になります。スマートスコアなら、大会の組み合わせ作成からタイムテーブル、スコア入力、順位の自動計算・結果公開までをまとめて行えます。手集計による転記ミスや、順位計算の取り違えを防ぐのに役立ちます。
よくある質問
総当たり戦(リーグ戦)の試合数はどう計算しますか?
参加数をnとすると、総試合数はn×(n-1)÷2で求めます。3チームなら3試合、4チームなら6試合、5チームなら10試合、8チームなら28試合です。全員が1回ずつ対戦する形式なので、チーム数が増えると試合数は急に増える点に注意してください。
循環方式(サークル法)とは何ですか?
1チームを固定し、残りのチームを時計回りに1つずつずらして各ラウンドの対戦を機械的に作る方法です。奇数チームのときは仮の1枠を加えて偶数として扱い、その枠に当たったチームはそのラウンドが休みになります。手作業でも重複や抜けを防ぎやすいのが利点です。
連戦を避けるにはどうすればよいですか?
同じチームが休みなく連続で試合に入らないよう、対戦順を並べ替えます。循環方式で作った各ラウンドの対戦をコートに割り振る際、直前に試合をしたチームが次の試合にも続けて入らないよう順序を調整します。特にチーム数が少ないリーグでは、ゲーム間120秒だけでは体力の回復が不十分になりやすいため配慮が必要です。
リーグ戦で同じ勝敗になったときの順位はどう決めますか?
代表例として、勝点(勝1・負0・棄権や没収は-1)を第一に、同じ場合は取得マッチ率、次に取得ゲーム率、さらに取得ポイント率の順で比較する方法があります(バドミントン日本リーグ規定を代表例とした場合)。ただし順位決定の基準は大会ごとに要項で異なるため、必ず各大会の要項を確認してください。
リーグ戦の途中で棄権が出た場合はどう記録しますか?
大会運営規程の代表例では、棄権時の記録は直前のスコアを記し棄権の旨を書き添えます(第26条)。またマッチを棄権した者は同一大会のその後の全種目に出場できない(第19条)とされる例があります。取り扱いは大会ごとに要項で異なる場合があるため、最新の競技規則・大会要項でご確認ください。
まとめ
- リーグ戦(総当たり)は全チームが同数の試合をこなせる公平な方式だが、試合数が多くなりやすい。
- 総試合数は n×(n-1)÷2 で求め、各チームの試合数は n−1。4チーム=6試合、8チーム=28試合。
- 対戦順は循環方式(1チーム固定+時計回りローテーション)で作ると重複・抜けを防ぎやすい。奇数チームは休み枠を加える。
- 実際のコート割り当てでは、連戦を避けるよう試合順を並べ替える配慮が必要。休憩は11点到達で60秒・ゲーム間120秒が目安。
- 順位決定基準・棄権の取り扱い・団体戦のオーダーは代表例があるが、大会ごとに要項で異なるため事前確認が必須。
循環方式の考え方さえ押さえれば、少人数のリーグ戦は手作業でも正確に組めます。試合数が増える大規模なリーグや、順位の自動計算まで含めて管理したい場合は、デジタルツールの活用で運営の負担と集計ミスを大きく減らせます。
公益財団法人日本バドミントン協会(競技規則・大会運営規程・公認審判員規程)
※競技規則・各種規程は年度版で改訂されることがあります。記事の内容は2026年7月時点の情報です。実際の大会では必ず最新の競技規則・大会要項をご確認ください。年度版の競技規則で最終確認をお願いします。