道具・準備

ガットは自分で張れる?張り機の費用と手張りをすすめない理由

先に押さえたいポイント

  • 機械の方式だけでなく、バドミントンへの適合と保守を確認する。
  • 回収回数は初期費用と一回当たりの差額で試算する。
  • 作業時間、学習、失敗や修理も含めて導入を判断する。

自分でガットを張るための機材と技術、店へ依頼する費用を比較します。仮定の数値で回収に必要な回数を計算し、手張りを避ける理由を整理します。

「自分で張る」という選択肢を知る

ガットはラケットに張られた状態で消耗し、切れたり緩んだりするたびに張り替えが必要です。多くの人はバドミントン専門店やスポーツ店に持ち込み、工賃を払って張ってもらいます。この張り替えを、自宅に専用の機械(張り機・ストリングマシン)を用意して自分でこなすのが「ホームストリンガー」という選択肢です。

自分で張れるようになると、いくつかのメリットがあります。営業時間や納期を気にせず、思い立ったときに張り替えられること。切れたその日に張り直せること。そして自分の感覚に合わせてテンションを細かく調整できることなどです。試合前夜にガットが切れて焦った経験がある人ほど、この「いつでも張れる」魅力は大きく感じるはずです。

一方で、機械の初期費用、技術を習得するまでの練習、そして失敗によるガットやラケットの損失といった現実もあります。まずはガット張りに関わる道具と技術の全体像を知り、そのうえで自分に合うかどうかを見極めていきましょう。ガットそのものの選び方や切れる仕組みを先に押さえておきたい方は、ガットが切れる原因5つと対策もあわせて読むと理解が深まります。

ポイント

自分で張る最大のメリットは「いつでも張れる」「推奨範囲内でテンションを調整できる」こと。ただし機械代・練習・失敗リスクという現実とセットで考える必要があります。

方式より先にバドミントンへの適合を確認

張力をかける方式には分銅式、スプリング式、電動式などがあります。方式だけで精度や価格は決まらず、バドミントンのフレームを適切に支持できるか、細いストリングに対応するクランプか、張力確認や保守ができるかを確認します。

例としてイグナスのST-190は、メーカーがバドミントン用の分銅式として案内する機種です。購入候補では本体に何が付属するか、別途必要な工具、送料、保証と修理窓口を見積もってください。古い価格表から現在の相場は断定しません。

回収回数は一回当たりの差額で計算する

単純な回収回数は「初期費用÷1回当たりの節約額」を切り上げて求めます。節約額は店での総額から自宅での変動費を引いた差です。ストリング代が両方で同額なら、その分は相殺されます。

仮の計算例:本体・工具などの初期費用100,000円、店で1回2,000円、自宅の材料など1回800円なら、節約額は1,200円。100,000÷1,200=約83.3なので84回が回収の目安です。年12回なら7年相当です。これは市場価格ではなく、計算方法を示す架空の条件です。

この例には自分の作業時間、修理費、失敗による材料や本体の損失を含めていません。差額が0以下なら、この条件では回数を増やしても回収できません。実際の見積もりと過去の張替記録で計算してください。

技術習得の現実|練習が必要で失敗リスクもある

張り機さえ買えばすぐに店と同じ仕上がりになる、というわけではありません。ガット張りは練習が必要な技術です。テンションを均一にかける、縦糸と横糸のバランスを整える、結び目をしっかり作る、グロメット(ハトメ)を傷めないよう扱う——これらを安定してこなせるようになるまでには、相応の回数と時間がかかります。

習得の過程では失敗もつきものです。テンションがばらついたり、結び目が緩んで張りたてなのにテンションが抜けたり、途中でガットが切れてやり直しになったり、といったことが起こります。失敗すればそのガットは無駄になり、コスト面でも回収が遠のきます。最初のうちは、大切な試合用ラケットではなく練習用で経験を積むのが安心です。

また、自分で数値を自由に設定できるからといって、無理に高いテンションにするのは危険です。各ラケットにはメーカーが定める推奨テンション範囲があり、これを超えて張るとメーカー保証の対象外になり、フレームのひび割れや折れのリスクも高まります。推奨範囲や具体的な数値はメーカー・製品によって異なるため、必ず各ラケットの表示を確認してください。

ポイント

ガット張りは練習が必要な技術。慣れるまでは失敗でガットが無駄になり、扱い次第でラケットを傷めることも。推奨テンションを超えて張ると保証外・破損リスクがある点にも注意しましょう。

マシンなしの手張りはなぜ非推奨なのか

「機械を買わずに手だけで張れないか」と考える人もいますが、マシン(張り機)を使わない手張りは難度が高く、ラケットの破損リスクがあるため一般には非推奨です。理由は明確で、手だけでは適切なテンションを均一にかけ続けることが極めて難しいからです。

張り機は、フレーム全体を固定した状態で一定のテンションをかける構造になっています。これに対して手張りでは、テンションが不均一になりやすく、フレームの一部に偏った力が集中します。その結果、ひび割れや変形、最悪の場合は折れにつながる恐れがあります。せっかくのラケットを一発で使えなくしてしまうリスクを負ってまで、機械を省く価値はありません。

つまり、自分で張ることを考えるなら「まず張り機を導入する」ことが前提です。初期費用を抑えたいという理由でマシンなしの手張りに手を出すのは、コストを浮かせるどころかラケット代という大きな損失を招きかねません。費用を抑えたい段階では、無理に自分で張らず店の張り替えを利用するほうが、結果的に安全で経済的なことが多いのです。

ポイント

マシンなしの手張りは、テンションが不均一になりフレームに偏った力がかかるため、ひび割れ・折れといった破損リスクがあります。自分で張るなら張り機の導入が前提です。

向いている人・向いていない人

ここまでを踏まえ、ホームストリンガーが向いている人・向いていない人を整理します。あくまで一般的な傾向であり、最終的にはご自身の環境や価値観で判断してください。

向いている人 向いていない人
張り替え頻度が高く、回数で機械代を回収できる見込みがある 年に数回しか張り替えず、頻度が低い
テンションを細かく調整し、自分好みを追求したい 店に任せた仕上がりで十分満足している
練習を重ねて技術を磨く時間と根気がある 手間をかけずに確実な仕上がりを優先したい
切れたその場ですぐ張り直せる環境が欲しい 初期費用や失敗リスクを避けたい

迷ったときは、まず「自分は年に何回張り替えているか」を振り返るのがおすすめです。ラケットごとの張り替え記録(種類・テンション・張替日・経過日数)をつけておくと、頻度が可視化され、機械代の元が取れるかどうかを具体的に判断できます。スマートスコアのアプリなら、こうした道具の管理を無料で行えます。

ポイント

判断の出発点は「張り替え頻度」。頻度が高くテンションにこだわりたい人には向き、頻度が低く確実さを優先したい人は店の張り替えが無難です。

よくある質問

張り機はいくらから買えますか?

機種や付属品により異なります。本体だけでなく工具・送料・保守を含む見積もりを取り、バドミントンへの適合と保証窓口を確認してください。

何回で元が取れますか?

初期費用を1回当たりの節約額で割ります。仮に100,000円、差額1,200円なら84回です。自分の時間や修理費を含めると条件は変わります。

手だけで張ってもよいですか?

適切な支持と張力管理が必要です。機材なしの自己流の手張りは勧めません。製品の張り方に従い、作業を学べる環境を先に用意してください。

初めてでも張り機があれば同じ仕上がりになりますか?

機械だけでは保証できません。固定、糸の通し方、張力確認、クランプ、結び方などを学び、製品の推奨張力と張り方を守る必要があります。

まとめ

  • 機械の方式だけでなく、バドミントンへの適合と保守を確認する。
  • 回収回数は初期費用と一回当たりの差額で試算する。
  • 作業時間、学習、失敗や修理も含めて導入を判断する。
phone_iphone

ガットの張替え日・テンション・費用は、アプリの「ガット張替え記録」で管理できます。

スマートスコア編集部
スマートスコア編集部

バドミントンの練習・大会管理アプリを開発・運営するチームです。記事の作成・更新方法は編集方針をご覧ください。

道具の管理も、アプリでスマートに

スマートスコアなら、ラケットごとのガット張り替え記録(種類・テンション・張替日・経過日数)や、シャトル代・ガット張り代などのコスト管理まで無料で使えます。

アプリ紹介を見る
アプリをダウンロード