グリップテープの種類と選び方|ウェット・ドライ・タオルの違いと3層構造
「グリップテープって、ウェットとドライで何が違うの?」「元グリップの上から巻いていいのか分からない」——バドミントンを始めたばかりの方や、握りの滑りに悩んでいる方がつまずきやすいのがグリップまわりです。種類が多く、しかも見た目だけでは違いが分かりにくいのが厄介なところです。
この記事では、グリップの「3層構造(元グリ・アンダーラップ・オーバーグリップ)」の考え方から、ウェット・ドライ・タオルの3タイプの違いと選び分け、太さ調整、交換のタイミングまでを整理します。読み終えるころには、自分に合ったグリップの選び方と、いま何を巻けばいいかが分かるようになります。
グリップの3層構造を理解する
グリップテープの話に入る前に、まず「バドミントンラケットの握り部分がどんな構造になっているか」を押さえておくと、選び方の全体像がつかめます。グリップは、内側から外側に向かって次の3つの層でできていると考えると分かりやすいです。
- 元グリップ(もとグリ):ラケットに最初から巻かれている土台のグリップ。基本的には剥がさずに使います。
- アンダーラップ:元グリップの上に巻く、緩衝と太さ調整のための層。必須ではなく、必要に応じて追加します。
- オーバーグリップ:いちばん外側に巻く、実際に手が触れる面。汗や摩擦で消耗する「消耗品」です。
ここで多くの人が迷うのが「元グリップを剥がしてから新しいテープを巻くのか?」という点ですが、答えは基本的に剥がさないです。元グリップはグリップの太さや形状の基準になっているため、剥がすと握り心地が大きく変わってしまいます。日常的に交換するのは、いちばん外側のオーバーグリップだと覚えておきましょう。
「元グリップ=土台(剥がさない)」「オーバーグリップ=手が触れる消耗品(定期交換)」「アンダーラップ=間に挟む太さ・緩衝の調整層(任意)」。この3つの役割の違いが、グリップ選びの土台になります。
いわゆる「グリップテープ」として店頭で選ぶのは、主にオーバーグリップです。この記事の中心である「ウェット・ドライ・タオル」の3タイプも、オーバーグリップの分類だと考えてください。なお、実際にテープをきれいに巻く手順はグリップテープの正しい巻き方|向き・重ね幅・仕上げまで手順で解説で詳しく紹介しています。
| 層 | 役割 | 交換頻度 |
|---|---|---|
| 元グリップ | 握りの土台・基準の太さ | 基本は交換しない |
| アンダーラップ | 緩衝・太さの微調整(任意) | オーバーグリップに合わせて随時 |
| オーバーグリップ | 手が触れる面・汗の吸収 | 状態を見て定期的に交換 |
※表の内容は一般的な目安です。製品や使い方によって扱いは異なります。
ウェットタイプ|迷ったらこれ
ウェットタイプは、表面がしっとりとした質感で、手に吸い付くようにフィットするのが特徴です。吸着性が高く、握ったときの一体感が得やすいため、多くのプレーヤーが標準として使っています。「どれを選べばいいか分からない」という方は、まずウェットタイプから試すのが無難です。
フィット感が高いぶん、しっかり握り込みたい人や、テープがめくれてくるのが気になる人に向いています。一方で、手汗が非常に多い人や真夏の体育館では、表面がベタついて感じられることもあります。そうした場合は、次に紹介するドライやタオルへの切り替えを検討すると良いでしょう。
ウェットタイプは「フィット感」を重視するタイプ。最初の1本として選び、そこを基準に「もっと汗に強くしたい」「もっとサラサラがいい」と感じたら他のタイプへ広げていくのが、失敗の少ない選び方です。
ドライタイプ|手汗・夏に強い
ドライタイプは、名前のとおり表面がサラサラとした質感で、吸汗速乾に優れているのが特徴です。手に汗をかいてもベタつきにくく、握り面がさらっとした状態を保ちやすいため、手汗が多い方や、汗をかきやすい夏場に向いています。
ウェットタイプの吸い付く感触が苦手で「もう少しサラッと握りたい」という人にも合います。ただし、フィット感(吸着感)そのものはウェットより控えめに感じられることがあるため、握りの一体感を最優先する人には物足りない場合もあります。ここは好みが分かれるところなので、実際に握り比べて判断するのがおすすめです。
| タイプ | 質感 | 強み | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| ウェット | しっとり吸着 | フィット感・一体感 | 迷ったら/握り込みたい人 |
| ドライ | サラサラ | 吸汗速乾・ベタつきにくい | 手汗が多い人/夏場 |
| タオル | 布地・パイル | 吸汗性が最も高い | 汗を大量に吸わせたい人 |
※感じ方には個人差があります。表は選び分けの目安としてご覧ください。
タオルタイプ|吸汗最強だが要交換
タオルタイプは、その名のとおりタオル地(布地)でできたグリップで、3タイプの中で吸汗性が最も高いのが最大の特徴です。汗を大量にかく人や、長時間のプレーで手の中に汗がたまるのが気になる人には、しっかり汗を吸い取ってくれる頼もしい選択肢です。
ただし、布地であるがゆえに傷みやすく、他のタイプより頻繁な交換が必要になります。汗を吸い込むぶん、湿ったまま放置すると衛生面でも気になりやすいため、こまめに巻き替える前提で使うタイプだと考えてください。「吸汗性は最高だが、消耗も早い」というトレードオフを理解した上で選ぶのがポイントです。
タオルタイプは「吸汗性を最優先したい人」向け。交換頻度が上がる=ランニングコストも増えやすいので、汗の量や交換の手間と相談して選びましょう。まずウェットやドライで足りるなら、無理にタオルにする必要はありません。
太さ調整の考え方(アンダーラップ)
グリップ選びは「タイプ(ウェット・ドライ・タオル)」だけでなく、「太さ」も握りやすさを大きく左右します。細すぎると握り込みすぎて力みやすく、太すぎると指が回らず操作しにくくなります。自分の手に合った太さを見つけることが、疲れにくく安定した握りにつながります。
太さを調整したいときに使うのがアンダーラップです。元グリップとオーバーグリップの間に巻くことで握りを太くでき、巻く量で太さを微調整できます。逆に細めが好みなら、アンダーラップを使わず、薄手のオーバーグリップを選ぶ方向で調整します。
- 太くしたい:元グリップの上にアンダーラップを巻く(巻く量で微調整)
- 細くしたい:アンダーラップを使わず、薄手のオーバーグリップにする
- 今のままがちょうどいい:元グリップの上にオーバーグリップのみを巻く
なお、グリップの太さはラケット側のグリップサイズ(G表記)とも関係します。もともとの握りの太さや、U表記(重さ)とあわせた選び方は、ラケットの3U・4Uの違いとU/G表記の読み方|重さとグリップサイズの選び方で詳しく解説していますので、あわせて確認すると自分に合う太さを決めやすくなります。
※太さの好みには個人差があります。少しずつ巻き量を変えて、自分に合う太さを探してください。
交換頻度の目安と交換サイン
「グリップテープはどのくらいで替えればいいの?」という質問はとても多いのですが、正解は「◯週間ごと」という時間ではなく、状態で判断するのが確実です。使用頻度や汗の量、選んだタイプによって傷み方が大きく変わるためです。次のようなサインが出たら、交換のタイミングだと考えましょう。
- 表面がテカって、握ったときに滑る・力が伝わりにくいと感じる
- 破れ・ほつれ・端のめくれが出てきた
- 握るとベタつきや、汗を吸ったことによるにおいが気になる
- 汗を吸って重く・湿った状態が抜けにくくなってきた(特にタオルタイプ)
タイプ別に見ると、タオルタイプは吸汗性が高い反面いちばん消耗が早く、ウェット・ドライはそれよりは長持ちする傾向があります。とはいえ、これも使い方次第なので、あくまで傾向として捉えてください。滑る状態で無理に使い続けると、握りが不安定になってミスや力みの原因になります。「少し早いかな」と思うくらいで替えるのが、快適さとプレーの安定の両方にとって安心です。
交換の判断は「時間」より「状態」。滑る・破れる・においが気になる、のどれかが出たら替えどきです。替えのグリップを1〜2本バッグに常備しておくと、試合前や練習中でもすぐ対応できます。
よくある質問
迷ったらどのタイプのグリップテープを選べばいいですか?
特にこだわりがなければ、まずはウェットタイプから試すのがおすすめです。吸着性が高く手にフィットしやすいため、多くのプレーヤーが基準として使っています。使ってみて手汗で滑ると感じたらドライやタオルへ、という順で自分に合うものを探すと選びやすいです。感じ方には個人差があります。
元グリップは剥がして巻き直したほうがいいですか?
基本的に元グリップは剥がさず、その上からオーバーグリップを巻いて使います。元グリップはグリップの土台になっており、剥がすと太さや形状が変わってしまうためです。太さや握り心地を調整したい場合は、元グリップの上にアンダーラップを重ねて対応するのが一般的です。
グリップテープはどのくらいで交換すればいいですか?
交換頻度はタイプや使用頻度によって大きく異なるため、時間ではなく状態で判断するのが確実です。表面がテカって滑る、破れやめくれが出た、握ったときにベタつきや不快なにおいが気になる、といったサインが出たら交換の目安です。特にタオルタイプは吸汗性が高い一方で傷みやすく、他のタイプより頻繁な交換が必要になりやすいです。
グリップを太くしたいときはどうすればいいですか?
元グリップとオーバーグリップの間にアンダーラップを巻くことで、握りを太くできます。巻く量や重ね方で太さを微調整できるのが利点です。逆に細めが好みの場合は、アンダーラップを使わず薄手のオーバーグリップを選ぶ方向で調整します。太さの好みには個人差があるため、少しずつ試して自分に合う太さを見つけてください。
手汗が多いのですが、どのタイプが向いていますか?
手汗が多い方や夏場は、吸汗速乾に優れたドライタイプが向いています。さらに吸汗性を重視するならタオルタイプという選択もありますが、タオルタイプは傷みやすく交換頻度が上がる点に注意が必要です。汗の量や好みは人それぞれなので、実際に使い比べて選ぶのがおすすめです。
まとめ
- グリップは「元グリップ(土台・剥がさない)→アンダーラップ(太さ調整・任意)→オーバーグリップ(手が触れる消耗品)」の3層構造。
- ウェットタイプは吸着・フィット重視で、迷ったらまずこれ。
- ドライタイプは吸汗速乾でサラサラ。手汗が多い人や夏場に向く。
- タオルタイプは吸汗性が最も高いが傷みやすく、頻繁な交換が必要。
- 太さはアンダーラップで調整。交換は時間でなく「滑る・破れる・においが気になる」状態で判断する。
グリップは、自分の手汗や握りの好みに合わせて選び分けることで、握りの安定感がぐっと変わる身近な道具です。まずはウェットを基準に、汗の量や質感の好みで調整していきましょう。巻き方のコツもあわせて押さえると、めくれや緩みのない快適なグリップに仕上がります。
本記事は各メーカー公式サイトの規格情報と、複数のバドミントン専門店・専門メディアで共通して語られる内容をもとに編集部が構成しています。
※数値・仕様はメーカー・製品により異なります。購入・使用の際は各製品の表示をご確認ください。