グリップテープの正しい巻き方|向き・重ね幅・仕上げまで手順で解説
グリップテープを自分で巻いてみたら、すぐにめくれてしまった・シワが寄ってデコボコになった――そんな経験はありませんか。グリップは手とラケットをつなぐ大事な接点で、巻き方ひとつでフィット感も持ちも大きく変わります。
この記事では、右利き・左利きそれぞれの巻く向き、めくれず緩まないための「引っ張りながら約5mm重ねる」コツ、三角カットと固定テープでの仕上げまでを手順で解説します。よくある失敗と巻き替えのタイミングもあわせて紹介します。
巻く前の準備|古いテープを剥がし、元グリは残す
きれいに巻くための第一歩は準備です。まず、今巻いている古いオーバーグリップ(上巻き)を剥がします。このとき覚えておきたいのが「剥がすのは上巻きだけ」ということです。
グリップは内側から「元グリップ → (アンダーラップ)→ オーバーグリップ」という層構造になっています。元グリップ(元グリ)はラケット購入時から巻かれているグリップの土台で、基本的に剥がしません。剥がしてしまうと握りの太さや感触が変わり、握り心地を損なう原因になります。
「剥がすのは古いオーバーグリップだけ、元グリップは残す」が大原則です。太さを調整したいときは、元グリップの上にアンダーラップ(緩衝・太さ調整用の下巻き)を巻いてから、オーバーグリップを重ねます。
古いテープを剥がしたら、粘着の残りやホコリを軽く拭き取り、面をきれいにしておきます。汚れが残っていると新しいテープの密着が悪くなり、めくれや浮きの原因になります。新しいオーバーグリップの端に付いている固定用テープ(フィニッシングテープ)が、あとで使うので手元に用意しておきましょう。
なお、オーバーグリップには握り面の感触を変える役割もあります。汗を吸着してフィットするウェット、乾きが速く手汗や夏向きのドライ、吸汗性が最も高い一方で傷みやすいタオルなど、種類によって握り心地が変わります。巻く前に自分の手汗量やプレースタイルに合ったタイプを選んでおくと、巻き直しの手間も減ります。層構造や種類の選び分けについてはグリップテープの種類と選び方で詳しく解説しています。
巻く向き|右利きは反時計回り、左利きは時計回り
巻き方でいちばん間違えやすく、そして仕上がりを左右するのが「巻く向き」です。結論から言うと、右利きは反時計回り、左利きは時計回りが基本です。
なぜ向きが決まっているかというと、握る動作でテープの重なり(段差)が締まる方向になるからです。逆向きに巻くと、握るたびに段差がめくれる方向に力がかかり、テープの端が浮いてめくれやすくなります。同じ人が巻いても、向きが逆なだけで「すぐめくれる/全然めくれない」の差になります。せっかくきれいに巻けても向きが逆だと持ちが悪くなるため、巻き始める前に必ず向きを確認しておきましょう。
| 利き手 | 巻く向き | ラケットを立てて見たとき |
|---|---|---|
| 右利き | 反時計回り | 手前から見て左上へ上がっていく向き |
| 左利き | 時計回り | 手前から見て右上へ上がっていく向き |
向きの目安はあくまで一般論です。製品のパッケージや説明に巻き方向・巻き始めの指示がある場合は、そちらを優先してください。製品によって粘着面や形状が異なるためです。
グリップの太さや握りの感覚についてはラケットのU/G表記とグリップサイズの選び方もあわせて確認すると、自分に合った握りを作りやすくなります。
巻く手順|エンドから引っ張りながら約5mm重ねる
向きが決まったら、いよいよ巻いていきます。手順はシンプルですが、「エンドから」「引っ張りながら」「約5mm重ねる」の3つを意識すると、めくれず緩まない仕上がりになります。
- グリップエンド側から巻き始める:ラケットの持ち手のいちばん下(エンド)にテープの端を合わせます。多くのオーバーグリップは、細くなった端やテープ付きの端から巻き始めます。
- 斜めに沿わせて一周させる:エンドを覆うように一周させ、巻く向き(右利きは反時計回り)に沿って上へ進めます。
- 軽く引っ張りながら巻く:テープをたるませず、軽く引っ張って張力をかけながら巻きます。引っ張らずに巻くと緩んでシワや浮きの原因になります。ただし引っ張りすぎるとテープが伸びきって薄くなり、切れやすくなるので「軽く」が目安です。
- 約5mm重ねながら上へ進める:一周ごとに、前の巻きに約5mm重ねながら巻き上げていきます。重ね幅が均一だと段差がそろい、見た目も握り心地もきれいになります。
- 握る範囲の上端まで巻く:普段握る位置まで巻き上げたら、そこで巻き終わりにします。
約5mmという重ね幅はあくまで目安です。テープの幅や好みによって前後します。まずは均一に重ねることを優先し、太さや感触を見ながら重ね幅を微調整してください。
仕上げ|三角カットと固定テープで留める
握る範囲まで巻き上げたら、最後の仕上げです。ここを丁寧にやると、端がめくれず、見た目もすっきりします。
- 巻き終わりを三角にカットする:巻き終わりの余ったテープを、斜めに(三角形になるように)カットします。三角にすることで、最後の一周を巻いたときに端がまっすぐ水平にそろい、段差ができません。
- 三角の頂点まで巻き込む:カットした部分を最後まで巻き込み、テープの上端が一直線になるように整えます。
- 付属の固定テープで留める:オーバーグリップに付属している固定用テープ(フィニッシングテープ)を、巻き終わりの上に一周巻いて留めます。これでテープの端が押さえられ、プレー中のめくれを防ぎます。
固定テープを巻くときも、少し引っ張りながらしっかり密着させます。ここが甘いと、いくら本体をきれいに巻いても端から緩んでくることがあります。
よくある失敗|ゆるい・シワ・重ねすぎ
うまく巻けないときは、たいてい原因がはっきりしています。代表的な失敗と対処をまとめます。
| 症状 | 主な原因 | 対処 |
|---|---|---|
| ゆるい・浮く | 引っ張らずに巻いた/固定テープが甘い | 軽く張力をかけて巻き直し、固定テープを密着させる |
| シワが寄る | 張力が不均一/斜めの角度が安定していない | 一定の力とリズムで、角度をそろえて巻く |
| デコボコ・太すぎる | 重ねすぎ(重ね幅が広い) | 約5mmを目安に重ね幅を狭める |
| 隙間が空く | 重ねが少なすぎる | 重ね幅を少し増やして隙間をなくす |
| すぐめくれる | 巻き向きが逆 | 右利きは反時計回り、左利きは時計回りに巻き直す |
特に多いのが「引っ張らずに巻いてゆるくなる」ケースと「重ねすぎて太くなる」ケースです。前者は張力不足、後者は重ね幅の広さが原因で、どちらも一度コツをつかめば防げます。うまくいかないときは、失敗した巻き方を一度ほどいて、原因を一つずつ確認しながら巻き直すのが近道です。
失敗しても巻き替えは何度でもできます。最初はうまくいかなくても、向き・引っ張り・重ね幅の3点を意識して数回巻けば安定してきます。慣れると数分で巻けるようになるので、消耗を感じたら気軽に巻き替えられるようになります。
巻き替えのタイミング
オーバーグリップは消耗品です。汗や摩擦で少しずつ性能が落ちるため、定期的な巻き替えが必要になります。明確な決まりはありませんが、次のようなサインが交換の目安です。
- 汗を吸って滑る・グリップ力が落ちてきた
- 変色や汚れ、においが気になる
- 表面が傷んでボロボロになってきた
- 握るとシワや浮きを感じる
交換の頻度は、グリップの種類によっても変わります。吸着してフィットするウェットタイプ、手汗や夏向きで乾きの速いドライタイプに対し、吸汗性が最も高いタオルタイプは傷みやすく、より頻繁な交換が必要です。それぞれの特徴はグリップテープの種類と選び方で解説しています。
握りの太さや感触が変わったと感じたときも、巻き替えの好機です。グリップが薄くなると実質的に握りが細くなり、力の入り方が変わります。握りの太さは打ちやすさや疲れにくさに直結するため、細さが気になるならアンダーラップで調整するのも一つの手です。太さの考え方はラケットのU/G表記とグリップサイズの選び方もあわせて参考にしてください。
寿命の目安は使用頻度・汗の量・プレースタイルで大きく異なります。時間や回数で機械的に決めるより、「滑る・傷んだと感じたら替える」を基本にすると、常に良いフィット感を保てます。
よくある質問
グリップテープはどっち向きに巻けばいいですか?
右利きは反時計回り、左利きは時計回りが基本です。握ったときにテープの重なり(段差)が緩む方向にならないため、めくれにくくなります。ただし製品に巻き方向の指示がある場合は、そちらを優先してください。
元のグリップは剥がしてから巻くのですか?
基本的に元グリップ(元グリ)は剥がしません。剥がすのは古くなったオーバーグリップ(上巻き)だけです。元グリップはグリップの土台であり、剥がすと太さが変わったり握り心地が損なわれたりします。太さを調整したい場合は、元グリップの上にアンダーラップを巻いて調整します。
重ね幅はどのくらいがいいですか?
目安として約5mm重ねながら巻くと、隙間なく均一に仕上がります。重ねすぎるとグリップが太くなりデコボコしやすく、重ねが少なすぎると隙間が空いてめくれの原因になります。重ね幅は製品の幅や好みで多少変わるため、あくまで目安として調整してください。
巻いてもすぐにめくれてしまいます。原因は何ですか?
巻く向きが逆、テープを引っ張らずに巻いた、重ね幅が足りず隙間が空いている、といった原因が考えられます。特に巻き向きは重要で、右利きは反時計回り・左利きは時計回りにすると、握る動作でテープが締まる方向になりめくれにくくなります。最後の固定テープが甘い場合もめくれやすくなります。
グリップテープはどのくらいで巻き替えればいいですか?
明確な決まりはありませんが、汗を吸って滑る・変色や汚れが目立つ・表面が傷んでボロボロになった・握ったときにシワや浮きを感じる、といったサインが交換の目安です。タオルグリップは吸汗性が高い反面傷みやすく、より頻繁な交換が必要になります。使用頻度や汗の量によって寿命は大きく異なります。
まとめ
- 剥がすのは古いオーバーグリップだけ。元グリップは基本残す(太さ調整はアンダーラップで)。
- 巻く向きは右利き=反時計回り、左利き=時計回り。製品の指示があればそれを優先。
- グリップエンドから、軽く引っ張りながら約5mm重ねて巻き上げる。
- 巻き終わりは三角にカットし、付属の固定テープで留めるとめくれにくい。
- 滑る・傷んだと感じたら巻き替え。タオルタイプは特にこまめに交換する。
グリップテープの巻き方は、向き・引っ張り・重ね幅・仕上げの4点を押さえれば、誰でもきれいに仕上げられます。数値はあくまで目安なので、自分の握り心地に合わせて調整しながら、めくれず緩まない一本を作ってみてください。
本記事は各メーカー公式サイトの規格情報と、複数のバドミントン専門店・専門メディアで共通して語られる内容をもとに編集部が構成しています。
※数値・仕様はメーカー・製品により異なります。購入・使用の際は各製品の表示をご確認ください。