ルール・審判・運営

バドミントンのスコアシートの書き方【ダブルス編】|S/Rの記入とサービスオーバーのずらし方

ダブルスの主審や記録係を初めて任されたとき、いちばん迷いやすいのがスコアシートの「S/R」の記入と、サービスオーバーで列をどうずらすかです。シングルスは書けてもダブルスになると急に難しく感じる——そんな方に向けて、記入例の考え方から順を追って整理しました。

この記事でわかること: スコアシートの基本構造、試合前の記入(選手名・S/R・開始の0)、得点をサーバーの行に記録する考え方、サービスオーバー時の列のずらし方、偶数=右・奇数=左でサーバー位置を追うコツ、そして書き間違えたときの直し方です。様式は大会ごとに異なる点もあわせて解説します。

スコアシートの基本構造を知る

スコアシートは、その試合で「いつ・どちらのペアが・何点を取ったか」を1枚で追えるように作られた記録用紙です。ダブルスでは、対戦する2ペアそれぞれの選手名を書く欄と、得点を進めていく欄が用意されています。ゲームは3ゲームマッチ(2ゲーム先取で勝ち)で行われるため、多くの様式ではゲームごとに記入欄が分かれています。

ダブルス特有のポイントは、各選手名の横に「S(サーバー)」「R(レシーバー)」を記入する欄があることです。ダブルスは2対2なので、同じペア内でもそのときサービスを打つ人・受ける人が入れ替わります。この誰がサーバーかを追えるようにするのが、S/R欄の役割です。

ポイント

スコアシートは「得点の記録」と「サーバーの追跡」の2つを兼ねています。ダブルスではとくに後者が重要で、S/R欄とサーバーの行の使い方を押さえれば、あとは自然に書けるようになります。

試合開始のコールや点数の読み上げなど、審判の進行そのものについてはバドミントン主審のやり方・コール完全ガイドで時系列にまとめています。スコアシートの記入と合わせて確認しておくと、記録係と主審のどちらを担当してもスムーズです。

試合前の記入|選手名・S/R・開始の0

試合が始まる前に、まずスコアシートの土台を整えます。ダブルスでは次の3つを記入しておくと、開始後の記録が楽になります。

  1. 選手名(ペア名): 両ペアの選手名を、それぞれの欄に記入します。所属や種目名の欄がある様式では、あわせて書き入れます。
  2. S/R(サーバー・レシーバー): トスの結果と各ペアが決めた立ち位置に応じて、最初にサービスを打つ選手に「S」、それを受ける選手に「R」を記入します。
  3. 開始の0: 得点欄の先頭に、両ペアとも「0」を記入します。試合は0-0(ラブオール)から始まるためです。

トス(競技規則第6条)に勝った側は「サービスかレシーブ」か「エンド(コート)」のどちらか一方を選び、負けた側が残りを選びます。この結果に沿って、どちらのペアの誰がサーバー(S)になるかが決まります。S/Rの割り当ては、この立ち位置とペア内の並びをそのままシートに写すイメージです。

ポイント

試合前の記入は「選手名 → S/R → 0」の順で整えると迷いません。開始コール「ラブオール、プレー」が0-0を意味するので、シート上も両者0からスタートします。

得点の記録|サーバーの行に書く

ラリーが終わって得点が動いたら、その得点を「そのラリーでサービスを打った選手の行」に記録していきます。ここがダブルスのスコアシートの中心となる考え方です。ラリーポイント制なので、サービス側が勝てばサービス側に、レシーブ側が勝てばレシーブ側に得点が入ります。

下の表は、記入の流れをつかむための考え方の一例です。実際の枠の形は様式によって違いますが、「どのラリーで・誰がサーバーで・スコアがどう動いたか」を追う感覚をつかんでください。

ラリーサーバー結果スコア(サーバー側先)
開始Aペアの選手a0-0(ラブオール)
1本目Aペアの選手aサービス側が得点1-0
2本目Aペアの選手aレシーブ側が得点0-1(サービスオーバー)
3本目Bペアの選手cサービス側が得点2-0

スコアの読み上げは常にサービス側を先に読みます。そのため記録する際も、いま得点したのがサービス側かレシーブ側かを意識すると、どの行に書けばよいかが判断しやすくなります。同点になったときは「◯オール」とコールされます。

ポイント

「得点はそのラリーのサーバーの行に書く」が原則です。サービス側が連続して得点している間は、同じ選手の行に点が積み上がっていきます。

サービスオーバー時の列のずらし方

レシーブ側がラリーに勝つと、サービス権が相手側に移ります。これが「サービスオーバー」です。主審は「サービスオーバー」とコールし、新しくサーバーになった側のスコアから読み直します(サービス側が得点したときは「ポイント」と添えられます)。スコアシートでは、このサーバーの交代がひと目でわかるように記録します。

一般的な考え方は、サービスオーバーが起きたら記入する列(列位置)をずらすことです。前のサーバーの記録と新しいサーバーの記録を別の列に分けることで、「ここでサーバーが入れ替わった」という区切りが視覚的に残ります。新しくサーバーになった側の選手の行に、続きの得点を書き進めていきます。

  • サービスオーバーが起きた → 記入する列を1つずらす(区切りを作る)。
  • 新しいサーバーの行に、そのあとの得点を続けて記録する。
  • 再びサービスオーバーが起きたら、また列をずらして次のサーバーの記録に移る。
ポイント

列をずらすのは「サーバーが替わった目印」です。どの列にどこまで書くかといった具体的な使い方は様式によって異なるため、本部で配られたシートの記入例に合わせてください。※様式は主催団体で異なることがあります。最新の大会要項でご確認ください。

偶数=右・奇数=左でサーバー位置を追う

ダブルスでサービスを打つ位置は、そのサービス側の得点によって左右が決まります。サービス側の得点が偶数のときは右のサービスコート、奇数のときは左のサービスコートから打つのが基本です。スコアシート上のサービス側の点数を見れば、いま右・左どちらから打つ番かを追えます。

サービス側の得点サービスコート
0・2・4…(偶数)
1・3・5…(奇数)

ここで押さえておきたいのは、同じペアが連続して得点している間はサーバーが交代せず、その1人が右→左→右…と自分の得点に応じてコートを移動しながら打ち続けるという点です。サービスオーバーで相手にサービスが移って初めて、サーバーそのものが替わります。この「連続得点中はコートの左右だけが変わる/サービスオーバーでサーバーが替わる」の切り分けが、記入とサーバー追跡の両方でカギになります。

サービスコートの決まり方や、いまどちらから打つのか迷ったときの追い方は、ダブルスのサービスコートはどっち?偶数=右・奇数=左の覚え方でさらに詳しく解説しています。あわせて読むと、スコアシートとコート上の動きがつながって理解できます。

ポイント

「偶数=右・奇数=左」はサービス側の得点で判断します。スコアシートのサービス側の数字を見れば、コートの左右もサーバー位置も追える、と覚えておきましょう。

間違えたときの直し方

記録係をしていると、書く行を間違えたり数字を書き損じたりすることは誰にでもあります。大切なのは、あとから見て何をどう直したかがたどれる形で訂正することです。一般的には、誤った数字を消しゴムで消したり塗りつぶしたりせず、二重線で消して正しい値を書き添える方法がとられます。

これは、記録の改ざんを疑われないようにする意味と、あとで確認が必要になったときに経緯を追えるようにする意味があります。訂正が多くなりそうなときや、スコアがこじれたときは、その場で主審や本部に確認しながら進めると安心です。

  • 誤りは二重線で消し、正しい値を近くに書き添える(塗りつぶし・修正液は避けるのが一般的)。
  • 大きく食い違ったときは、自己判断で書き換えず本部に相談する。
  • 訂正の具体的な方法や署名の要否は大会によって扱いが異なる。
ポイント

訂正のルールや署名の要否は大会・主催団体によって異なる場合があります。当日は本部の指示に従ってください。※最新の競技規則・大会要項でご確認ください。

様式は大会により異なる|本部の指示に従う

ここまで説明してきた「S/Rの記入」「得点はサーバーの行へ」「サービスオーバーで列をずらす」「偶数=右・奇数=左でサーバーを追う」といった考え方は、ダブルスのスコアシートに共通する土台です。一方で、実際の用紙の枠の形やS/R欄の書き方、列のずらし方の細部は、主催団体や大会によって異なります。

そのため、当日は次のものを最優先に確認してください。考え方さえ理解できていれば、様式が違っても記入例を見ればすぐに対応できます。

  • 本部で配られたスコアシートの見本・記入例。
  • 審判説明会や大会要項での記入方法の案内。
  • 不明点はその場で本部・主審に確認する(自己流で埋めない)。

また、棄権や遅刻などで試合が成立しなかったときのスコア処理も、大会の運営規程によって扱いが分かれます。こうしたイレギュラーな場面の記入については、大会での棄権・遅刻・当日欠場の対応もあわせて確認しておくと、記録係として迷わず対応できます。

ポイント

スコアシートは「考え方は共通・様式は大会ごと」。この記事の考え方を土台に、当日は必ず本部で配られたシートの記入例と指示に合わせてください。※大会・年度により異なる場合があります。

よくある質問

ダブルスのスコアシートでS/Rは何を意味しますか?

Sはサーバー(そのラリーでサービスを打つ人)、Rはレシーバー(サービスを受ける人)を表します。試合前に各選手名の横にトスの結果に応じてS/Rを記入し、開始時にそれぞれ0を書き入れます。そのラリーで実際にサービスを打った選手の行に得点を記録していきます。※様式は主催団体・大会によって異なる場合があります。最新の競技規則・大会要項でご確認ください。

サービスオーバーのときスコアシートはどう書きますか?

サービス権が相手側に移ったら、新しくサーバーになった側の選手の行に、続きの得点を記入していきます。列(記入する列位置)をずらして、どこでサーバーが入れ替わったかがわかるように記録するのが一般的な考え方です。具体的な列の使い方は様式によって異なるため、本部で配られたシートの見本や当日の説明に従ってください。

今どちらがサービスを打つ番か、スコアからどう判断しますか?

サービス側の得点が偶数のときは右のサービスコートから、奇数のときは左のサービスコートから打つのが基本です。スコアシート上のサービス側の点数を見れば、右・左どちらから打つかを追えます。同じ側が連続得点している間はサーバーが交代せず、コートの左右だけが入れ替わる点も覚えておくと迷いにくくなります。

スコアシートを書き間違えたときはどうすればよいですか?

誤った数字を消しゴムで消したり塗りつぶしたりせず、二重線で消して正しい値を書き添えるのが一般的です。あとから訂正の経緯がたどれるようにしておくのが目的です。訂正の具体的な方法や署名の要否は大会・主催団体によって異なるため、当日の本部の指示に従ってください。※大会・年度により異なる場合があります。

ダブルスのスコアシートの様式はどこでも同じですか?

S/Rの記入やサーバーの行への得点記録といった考え方は共通しますが、実際の枠の形やS/Rの書き方、列のずらし方といった細部は主催団体・大会によって異なります。当日は本部で配られたスコアシートの見本や記入例、審判説明を最優先に、その様式に合わせて記入してください。

まとめ

  • ダブルスのスコアシートは「得点の記録」と「サーバーの追跡」を兼ねる用紙で、S/R欄がその要です。
  • 試合前は「選手名 → S/R → 開始の0」の順で土台を整え、0-0(ラブオール)から始めます。
  • 得点はそのラリーのサーバーの行に記録し、スコアはサービス側を先に読みます。
  • サービスオーバーが起きたら列をずらし、新しいサーバーの行に続きを書きます。
  • サービス側の得点が偶数なら右・奇数なら左。スコアの数字からサーバー位置を追えます。

考え方さえ押さえておけば、様式が違ってもダブルスのスコアシートは書けるようになります。書き間違いは二重線で訂正し、細部は必ず本部で配られた記入例と当日の指示に合わせてください。実際の運用は大会・年度によって異なる場合があるため、最新の競技規則・大会要項での確認をおすすめします。

参考・出典

公益財団法人日本バドミントン協会(競技規則・大会運営規程・公認審判員規程)

※競技規則・各種規程は年度版で改訂されることがあります。記事の内容は2026年7月時点の情報です。実際の大会では必ず最新の競技規則・大会要項をご確認ください。年度版の競技規則で最終確認をお願いします。

スマートスコア編集部
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